てぃーだブログ › ファミリークリニック小禄 公式ブログ › 感染症 › 実は難しい”マイコプラズマ感染症の診断”11.08.30


*看護師さん募集しています(常・パート) 858-1202 担当 高良OR国吉までお電話ください*

「マイコプラズマ」はちょっと変わった病原体のひとつです。
一般にイメージする”肺炎”を引き起こす、肺炎球菌・インフルエンザ桿菌・黄色ぶどう球菌・緑膿菌などの”細菌”による肺炎は定形肺炎といいます。

非定型肺炎~細菌以外の原因微生物による肺炎~マイコプラズマ、クラミジア、ウイルスなどが原因の肺炎

マイコプラズマは、”非定形”というだけあって、細菌による肺炎とことなり診断には少々注意が必要となります。

咽頭をこすって検体をとる、PCR法(遺伝子診断)や培養検査も確実ではありません(ノドにマイコプラズマが居ない場合も多いのです)

早期に診断するためには一般外来では、血液検査(血清)となるのです。

今のところ マイコプラズマIgM抗体 を検出する方法が一般的で 1)迅速検査(イムのカード法) 2)PA法(マイコプラズマのIgM)を検出する方法の2つが実際に用いられています。

1)の迅速検査はその場でわかる(20分程度)~マイコプラズマIgMの有無を検出

2)PA法は数日かかる(検査室を強~くプッシュまたはお友達なら1~2日?)~マイコプラズマIgMを実測

ところがこのマイコプラズマIgMという抗体(免疫反応でできる)が曲者なのです、、、、、、

大人ではこのマイコプラズマIgM反応が非常に弱い、、、、、

子どもではこのマイコプラズマIgM反応が強く、しかも長~くのこるのです(1回の感染のあと、☓320倍程度なら時に数ヶ月陽性)

そのため大人なら1回の血液検査でも陽性なら診断してもいいのですが、子どもの場合1回の採血で「あなたの(今の)咳はマイコプラズマ肺炎」ということは少々怪しいのです。

→以前感染した影響が残ってるだけ!という可能性があるのです

そこで、はっきりさせるため血液検査を2回行い(ペア血清)→4倍以上の変動がある!!
このような場合にはっきりと、”マイコプラズマ感染症”だと言えるのです。

ただ、このペア血清も採血のタイミングが合わないときもあるので、、、、、なかなかすっきりしないのです。
~~~~~~~~~
聴診・診察しただけで「マイコプラズマ肺炎」とは”確定診断”できないし、1回の採血・迅速検査で「マイコプラズマ肺炎」とは断定は難しい!(疑いが高い~なら解りますが、、、、、)

マイコプラズマ肺炎の典型的なケース
乾いた咳が1週間
抗生剤(細菌に効く)が効果なく
レントゲンで肺炎の影あり
血液検査(白血球が正常に近く、CRPもそれほど上がっていない)
レントゲンの所見が一見重症!!かと思われるが本人には意外と重症感がない(酸素を必要としない)

採血検査も行いますが、結果の帰ってくる頃には、ほぼ回復に向かっていることがほとんでです(自然治癒傾向あり)
8割程度は、通常の処方で改善し、入院やマイコプラズマに効く抗生剤の点滴を行うのはクリニックの場合1~2割程度です




















同じカテゴリー(感染症)の記事

Posted by tochan at 12:15 │感染症