てぃーだブログ › ファミリークリニック小禄 公式ブログ › 感染症 › 重症の細菌感染(敗血症)かどうかの検査補助、プロカルシトニン(PCT)迅速検査 20200703


乳児の発熱の場合、ウイルス性なら経過観察、細菌性なら重症な感染があるのかその部位はどこか調べる必要があります

状況によって 白血球(WBC)やCRPの採血をおこないます

~乳児では僅かな血液(毛細管1本)で検査可能

白血球とCRPの数値が高い場合に細菌感染、正常^低値だとウイルス性の感染症のことが多いのですが

発熱初期の場合には当てにならないことがあります~経過を追わないと判断できない

また、数値が高くてもウイルス感染のこともあります~アデノウイルス感染など(時に白血球2万、CRP10以上、、、)

発熱の経過、全身状態と白血球・CRPを参考にウイルス性なら経過観察、細菌感染を疑わせるなら感染部位を考え抗生剤治療となります


細菌感染の中で怖いのは、重症な敗血症や細菌性髄膜炎などの場合です
~この場合は入院治療が必要

プロカルシトニン(PCT)の検査によってこの敗血症かどうかの診断が早期で可能になっています
~本来なら血液培養を行って敗血症の有無を確認

プロカルシトニンの値;
0.05~0.5 ng/mL 未満:局所細菌感染症の可能性はあるが, 全身感染は否定的
0.5~2 ng/mL:敗血症の可能性(細菌性)の可能性がある ウイルス感染症, 真菌感染症, 自己免疫疾患, 手術後, 外傷後など
2 ng/mL 以上:敗血症(細菌性)の可能性が高い

今の所毛細管による採血では検体の量が不足するため、通常の採血が必要になります
~しかしそれでも微量で検査可能

新型コロナウイルスによる肺炎初期にも役立ちます
~両側肺炎+WBC正常+リンパ球減少+正常プロカルシトニン+CRP,フェリチン高値ならCOVID-19だ→PCR検査はいらない(流行地域の場合)


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Posted by tochan at 11:55 │感染症