てぃーだブログ › ファミリークリニック小禄 公式ブログ › 成長・発達 › 日々雑感 › ホームケア › 子供に眠気のでる抗ヒスタミン剤で学力低下に注意 13.10.22


*10月24日(木)は受付10時まで、10時半から11時半ごろまで休診、終了次第再開予定*

抗ヒスタミン薬は、皮膚のかゆみ・鼻汁を止めるためによく使用される薬剤です。

第一世代:ポララミン(d-クロルフェニラミン マレイン酸塩)  ペリアクチン(シプロヘプタジン) アタラックスP(パモ酸ヒドロキシシジン)など

第二世代( Ⅰ類 ): アゼプチン(アゼラスチン)  ゼスラン・ニポラジン( メキタジン) ザジテン(フマル酸ケトチフェン) など

第二世代( Ⅱ類 ):アレグラ(フェキソフェナジン) アレジオン(エピナスチン)  アレロック(オパタジン) クラリチン(ロタラジン) など

鼻のかめない乳幼児に鼻汁を止める抗ヒスタミン薬は、症状を悪化させることがあり、

また熱性痙攣との関連もあることから、

(個人的には)第一世代の抗ヒスタミン薬を処方することがほとんどなくなりました。

また使用する場合には、より眠気の少ない抗ヒスタミン薬を使うように気をつかっています。

この抗ヒスタミン薬についてのセミナーがありました。

一番重要だと思った点のまとめ
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子供に眠気のでる抗ヒスタミン薬(特に第一世代)を使うと、睡眠の質が悪くなりさらに脳の短期記憶力が低下、、、

たとえ眠気を自覚していなくても、、、学力低下につながる」

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最近では、眠気の少ない抗ヒスタミン薬が増えてきています。

仮にアトピー性皮膚炎の痒み、アレルギー性鼻炎に使用するなら眠気の少ない抗ヒスタミン薬を使用してください。

あと鼻のかめない、鼻汁の出せない乳児に抗ヒスタミン薬を使用するのもあまりオススメできません。



「抗ヒスタミン薬の実践的使用法」のランチョンセミナー

抗ヒスタミン薬はインバースアゴニスト、不活性型のレセプターに結合する

→ 長期での使用が望ましい理由、症状ないときでも内服すると良い理由

ヒスタミンは、皮膚では痒みなど引き起こすが、

脳内では大切な神経伝達物質!

脳に移行しやすい第一世代の抗ヒスタミン薬は、脳におけるこの大切な神経伝達物質を抑制する

容易に REM睡眠の質を低下させて、記憶と学習の認知機能を低下させる

この認知機能の発達は12歳頃まで、

この時期の第一世代の抗ヒスタミン薬の使用は作業記憶(ワーキングメモリ)に(悪い)影響を与え

→勉学にも影響をおよぼす、つまり成績が下る!

その他
抗ヒスタミン薬のプロアクティブ使用:バリア機能の回復するまで
眠気と痒みに対する効果は別物
熱性痙攣との第一世代の抗ヒスタミン薬は関連あり(熱性痙攣増加)
妊娠中のポララミン、催奇性評価B(FDA)
慢性蕁麻疹への倍量投与もあり。(日本2倍まで)


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