てぃーだブログ › ファミリークリニック小禄 公式ブログ › 乳児の鼻水 › ホームケア › 2歳未満の赤ちゃんに蓄膿症(副鼻腔炎)はありません 20201223


2歳未満の赤ちゃんでときおり、副鼻腔炎(蓄膿症)と言われてます、と聞くことがありますが、

解剖学的にはこの時期に副鼻腔炎はおこりません

堀部耳鼻咽喉科医院、小児の副鼻腔炎 からの解説(わかりやすい解剖図は探せませんでした、、、)
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まずは、副鼻腔についてご説明させていただきます。
新生児期の副鼻腔は直径1センチくらいでまだ鼻腔とは連絡せず骨髄で形成されています。 それゆえ、新生児から4歳までの副鼻腔炎はありません。
2歳から発達し始め、17歳くらいでほぼ副鼻腔は完成されます。 4歳から6歳ごろの副鼻腔は小さいながらも鼻腔との通路は広く炎症を起こしやすいですが その分排膿されやすく、治癒しやすいのが特徴です。
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この時期の特徴として
カゼ(ウイルス感染) → 透明な鼻汁(風邪症状) → ドロドロ鼻汁 → もとに戻る(治癒)
この期間が10-14日かかります
集団生活をしているとさらにこの治癒までの期間が長引きます
自分がよく説明に使う 保育園(通い始め)症候群
医療側として、経過が慢性的なため
急性のウイルス感染による鼻腔の炎症(急性鼻炎)を慢性的に繰り返している~では理解しにくいのでしょう
鼻の感染を慢性的に繰り返している→副鼻腔炎、と保護者側が誤解されてるのかもしれません


ドロドロ鼻汁の時期に抗生剤を使うと、パット見良くなったように見え保護者にはとても喜ばれます
(以前生まれてまだ1年ちょっとの間に数カ月間経口抗生剤、キノロン系を使用されているケースもありました)
しかし、抗生剤の効かない耐性菌を生むことになり、いざというときに有効な薬剤が使えない状態になることがあります
いざというときとは、細菌性肺炎、髄膜炎、敗血症、菌血症など

この時期の、ドロドロ鼻汁の治療としては去痰剤などもありますが
根気よく鼻汁の吸引を行うことに尽きるでしょう

ただし、発熱があったり全身状態が悪い場合には合併症を考え検査を行い適切な治療を行います
~合併症があれば必要な抗生剤を使用する



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